そして，青いシャツの桜井さんが登場し，ゆっくりと歌い始めた．

コンサートグッズの1つに「flowerTシャツ」があり，こんどの新曲のカップリングも「花」．どうやら今回のテーマは花のようだ．サビのみを歌い終えるとステージに全メンバーが揃い，コンサートがいよいよ始まった．

アルバムに近いゆっくりとしたバージョン．風で音が舞っているけど，僕のいる2階席までじっかりと声は届いてる．ステージは遠いけど，モニターが見やすく桜井さんの顔も良く見える．

ライブ版CDと同じく会場みんなで大合唱．徐々にヒートアップ．曲終わりであいさつのMC.「暗くてみんなの顔が見えず不安だったけど，もうだいたいわかりました．ほにゃららら（聞き取れず）」で笑いが起こる．

ここから，ミスチルヒストリーをたどる演奏が始まる．

デビュー曲．CDで聴くとパンチがないけど，キャリアを積んだ今のミスチルが歌うとかなり良いです．

まだほんのりと明るい空の下．ちらほら星も見える．自転車にのった高校生くらいの自分をイメージしながら，気持ちよーく聴いた．今が青春だとしても乗換駅はすぐそこ．青春が始まったばかりのころが懐かしく，いとおしい．

聴くたびに友人の一人であるSAを思い出す1曲．最近はどうしているんかな．なんて思いながら．

「夕暮れに似合う1曲を」ということで，しっとり，しっとりと．

初期の3大ラブソングのしめくくり．大きく広がるまだ青白い夜空に，桜井さんの声が気持ち良く広がってた．

ここからテンションは一気にHighへ．歌え！踊れ！叫べ！

なかなか渋い選曲ではなかろうか．ここで前半終了．

桜井さんは赤いシャツへ着替えて，深い海へ．

なんとなく単調なくらーい曲だが，生で聞くと非常に迫力があって，説得力がある．

アルバムでも「シーラカンス」の次に収録されている曲．このアルバムを聞いてた大学生の頃を思い出した．はじめてこのアルバムを東西線の中で聞いたとき，途中で寝ちゃったんだよな−とか，このアルバムはミスチルファンの踏絵とかよばれてたよなーとか．最初は寝ちゃったけども，結構好きなアルバム．

無数のCG兵士が画面に映し出された1曲．これを書いている今は9月を過ぎていて，戦争が現実味を帯びている時．この曲が歌う風景が，フィクションでないことが，あらためて突き刺さる．

「東西南北」「EWSN」の文字が踊る映像とともに．デジデジしてて，おもしろかった．

今回一押しの1曲．「うぉうぉううぉうぉううぉー」の大合唱は超エクスタシー．花火の演出には超ハイテンション．かっこよすぎです．

ここでちょっと落としてしっとりと．「シーラカンス」から始まる中盤を閉めて，かつ，歌い上げ系のラスト3曲へとつなぐ．良く練られた構成だ．

誰もが喜ぶ感動の1曲．生歌は，最高です．

ステージにステンドグラスが現れて，荘厳な雰囲気の中で歌い上げる桜井さん．「ハ，ハレ，ハレ，ハレールヤ」の大合唱．あーもう終わっちゃうな−と思っていると，ハレルヤを歌う会場に対して，櫻井さんは「負けないように　枯れないように」と歌を返してきた．2曲が融合して，シンクロして，そして最後の曲へ．

ステージ上の恐竜の頭が開き，大きな花となる．ほほう，と感動．桜井さんが21世紀に残したいこの曲を聞きながら，21世紀を強く前向きに生きていくぞと思う．

そしてアンコール．

あおる桜井，乱れる客席．そして超かっこいいメンバー紹介．

ミスチル史を語る上で最重要とも言える1曲．1番は全部客席の声で．めちゃくちゃ贅沢なカラオケ．

「ミスチルに捨て曲はありません．今日演奏した曲をひとつひとつ持って帰ってください」とのMCに続いて．Jenさんはブルースハープを演奏．

そして最後の最後は前日発売になった新曲．大画面に歌詞が流れ，その前で歌う桜井さんの映像がサブ画面に．よくできたビデオクリップのよう．新たな名曲を満喫．