あなたは今自分がどんな立場にいるとおもいますか。たとえばあなたが大学生だとしたら、その大学生活はどうですか。楽しいですか。楽してますか。気楽ですか。

僕は楽しくて、楽で、まあまあ気楽です。(それなりに気楽でないと思うこともありますが、そんなこといったら本当に気楽でない人に怒られます。多分。) 親のすねをかじって大学に行かせてもらって、ご飯も食べさせてもらって、家もあるし、自分のやりたいと思うことはやろうと思えばたいていできる。今の自分、というか、生まれたから今までの自分は、親とか、学校とか、社会とか、いろいろなものに囲まれた楽園にいると考えるのはそうばかげたことではないでしょう。

楽園にいながらにして、生意気なことをいっちょまえに口にしたこともあったかと思うとかなりはずかしい。けれど、その楽園をでなければならない時期も近いと思うのです。たとえば大学を卒業して社会人になるとか、成人になったという事実から精神的に自立するとか。というよりも、この本の題名のようにもうすぐこの楽園から「追われる」のでしょう。おそらく。自分の意志に反して。

というのが、僕がこの本の題名から考えたことで、この本は著者のいろいろなものに対しての考えや意見が書かれたエッセイ集です。