ボストン・デイズ

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2nd week
  • 2004.10.10(Sun)
    3連休の2日目.10時にホテルを出て,地下鉄で2駅先にあるレンタカー屋Hertzへ向かう.日本以外で車を運転するかと思うと,なんだかとても緊張していた.レンタカー屋は駅からちょっと歩いたところにあり,少し迷って何とかたどり着く.

    で,車を借りたいと言ったら,「1台もない」とけんもほろろに追い返される.連休まん中だと借りられないのか...そばにあった別のレンタカー屋AVISにも聞いてみたが,予約がない飛込みには貸す車はないと言う.相当しょんぼりしてホテルまで戻った.

    ここで思い出す.そうか,アメリカは予約ありきの国じゃないか.少し気を取り直してWebで予約を試みる.返す時間設定を営業時間外に指定してしまったりして,なかなかOKと言ってくれなかったのだが,この日の午後3時から明日の午後4時までで,なんとか予約を取り付けた.けど,車ないって言ってたし,本当に借りられるんだろうか.不安に思いながら,なんだか急に眠くなり,1時間ほど眠る.

    12時半に起きて,シャワーを浴びて目を覚まし,再度地下鉄に乗る.ただし今度は3駅先まで行って,そこのマックで昼飯を食べてから,1駅歩きながら戻る.歩きつつ,道を覚える.15分もすれば着いてしまったので,あとはスタバのコーヒーを飲みながらボスからの宿題について考えつつ,時間をつぶす.

    午後3時.最初に行ったHertzへ.朝と同じおばさんがカウンターにいた.最初から予約してこいよ,みたいな顔で鍵をくれた.車種は三菱のギャラン.緊張は高まり,初めて左ハンドルの車に乗る.

    さっきの予習を踏まえ,前日不動産屋さんの車で移動したコースを参考に,来月から住む家近くのモールを目指す.うしろをミラーで確認するときに,つい左前方を見てしまう癖以外は,問題なく運転できた.目的地にも無事に着き,少し落ち着く.そこでは今夜の夕食を買って,今度はホテルを目指す.

    そして少し道に迷う.Porterという駅のそばに出ようと思っていたら,その先のHarvard駅近くに出てしまって驚いた.(あとで地図を見ると,二つの駅はえらく近かった.) さらに,その先のCentralへ行きたいのに,道が複雑に入り混じっていて,どの道を行けばそっちの方向へいけるか分からない.行ったりきたりしながら,なんとかHarvardの街を抜け,見慣れたホテルのある街へ戻る.また,運転はいいのだけれど,車体感覚がビートルのままだったので,それより大きいギャランの右前タイヤを縁石に一回こすってしまう.そういやビートルを買って初めて乗ったときも左前のタイヤを縁石にこすったなあと思い出した.以降,右側の車体位置にすごく気を使った.

    本当はさらに空港まで行ってから帰ってこようと思っていたのだが,暗くなってからの運転もやだったので,そのままホテルの駐車場に車を止め,部屋に戻った.そして気がつくと,また寝てしまっていた.1時間ほどして起きて,ご飯を食べ,宿題を考え,明日のドライブコースを検討.今日は,何もしてないようで,とても疲れた一日だ.

  • 2004.10.9(Sat)
    3連休の初日.11時からこの先2年間住むであろう物件探しへ出かける.といっても,前回の出張時に見せてもらった物件にほぼ心は決めており,万が一の場合の保険物件と狙っている物件の再見学である.保険物件は,まあまあというかイマイチというかで,心変わりをさせるような感じではなく,最初のターゲットどおりで行くという決心がつく.案内してくれた不動産屋さんとは世間話を含めて,いろいろと生活情報やアメリカの話や運転の話で盛り上がる.また,超RED SOXファンとのことで,昨夜の3タテには非常に喜んでおられたのが印象的.

    1時半ごろ見学が終わり,今後の予定を確認した後,Porterという街でおろしてもらう.この街は日本食材屋さんや日本料理屋が多く,現地日本人にとても重宝されている街.先週KKに最初につれてきてもらったところ.まずここでシャケ定食を食べてエネルギーを溜め込み,GAPでコートとシャツと下着と靴下とちょっとした上着を買い込む.260ドルくらい使った.

    地下鉄で一度宿に戻る.戻る途中,駅で電車を待つ間に,浮浪者らしきアメリカ人になにやら話しかけられる.I can't understand what you say といって追い払う.これが嘘じゃないのでちょっと悲しい.宿で一息ついた後は,買い込んだ服に着替えて今度は徒歩で近くのモールへ向かう.

    モールでは携帯電話を買おうと,受付で携帯電話屋の場所を聞き,一通り見て回る.全部で6件あり,どう決めたらいいのかと迷っていたら,AT&Tの店員が強引に話しかけてくる.「いいところに来た.うちにすれば,この最新機種をただで持っていけるぞ,さあ契約しよう.」 なんかうさんくさいじゃん.「お前どこから来た?日本か.じゃあこれはどうだ.LG電子が作っている日本製の携帯だぞ.」 あの,韓国の会社なんですけど.「最近場所が変わったんだ」 日本が買収したっていうの?韓国人怒るよ.「ごめんごめん.日本製はこっちだった.NOKIA.」 フィンランドじゃん.「ソニーがそうだな.これどうだ.」 ソニー・エリクソン.確かにソニー.けどでかい.いろいろと関西系のようなのりでいろいろとやり取りが合って,まあなんとか解放してもらう.

    結局がつがつしてない,大きく店を構えているところに絞る.2軒あって,一方のverizonは韓国製の機種しかなく,もう一方のNextelはMotorora製.形状からMotororaの方を選んで買おうとすると,米国でのID(免許かアメリカでのクレジットカード)が無い人には売れない!とのこと.どっちもまだない.なんだよ,買えないのか...しかたなくverizonの方へ言ってみると,100ドルのデポジットを入れれば売ってくれるとの事.韓国製で形状が好きになれなかったが,そこで決めた.LG電子製とSAMSUNG製とあったので,オフィスでの友人SJが所属するSAMSUNG製をチョイス.デポジットが実は125ドルだったとかで途中で変更されたあと(後で知ったが,以前は400ドルだったらしい),込み込みで290ドル支払う.しかも悪名高きメールインリベート50ドルつき.

    ホテルにもどり携帯を一通り開梱すると,自動車内用電源やらハンズフリーイヤホンやらレザーカバーなんかも入っていて,それらに50ドルかかってた.こっちの人ってこれをデフォルトで買うんですかいな.ちょっとやられた気分.なんとしてもメールインリベートで50ドル取り返さないと.

    夕食は日本から持参したレトルトカレー.食後,携帯で早速友人YTに電話して,月曜日の夕食の約束を取り付けた.明日はレンタカーに挑戦の日である.

  • 2004.10.8(Fri)
    宿題になっていたアイデア出しは,結局計2コ作って睡魔に負け眠る.夢の中でボスの英語が聞こえてくる.意味がわかって英語が聞こえてくるわけではない.ただ,音としてぐるぐる回る.

    浅い眠りから覚め,朝少しアイデアを練る.3コ増やした.ちょっとずつ慣れてきた朝のルーチンを終えて8時半にホテルを出る.

    この日はオフィスに行く前にソーシャルセキュリティ事務所へ向かう.アメリカで働く外国人はソーシャルセキュリティ番号というものをもらう必要があり,その申請をそこで行う.事務所は地下鉄で4駅乗った先に.9時前に到着し,番号札を取って,書類を記入して,番号が呼ばれたら書類を提出し,次に名前を呼ばれるまで待つ.すると「マヒロォー」と呼ばれる.最初自分なの?と分からなかった.申請自体は問題なく,10時にはオフィス付近まで戻れた.

    仕事を始める前に,ちり紙とかゴミ箱とかを買いたいと思い,秘書さんに雑貨屋さんの場所を聞いて買いに行く.ついでに昼食も買って帰り,昼からオフィスでパンをぱくつきながら仕事をする.午後から韓国人SJ・日本人OYと3人のDiscussionがあるので,それ向けのアイデア出しと,ボスからの宿題の見直しをした.見直して,アイデアを1コ削る.3時からのディスカッションをしていると,1年前からこっちに来ている友人YTが顔を見せに来てくれた.Discussionを少し抜け出し,ひとしきりしゃべって再会を喜ぶ.

    夕方ボスから呼び出され,10分だけMeeting.結局ボスの思惑とこちらの思惑があまり合っておらず,ヒントを与えられた上でアイデア練り直しが命じられる.これは英語とかアイデアの優劣の問題じゃないよね.これからの意図の共有と共存が課題になるかも知れない.

    なんとかMeetingを終えると,カルフォルニアの会社の人から事務処理の結果とともに野球談義のメールが送られてきた.曰く,「CA地元のAngelsがBostonでポストシーズン戦っているけど,もちろん私達はAngelsに勝って欲しいわよねえ?」と.残念ながらボストンが3タテで勝ってしまい,「残念だったね.この敵はきっと松井が取るよ」と返事をした.仕事上いろいろと事務処理をお願いする人なのだが,こうした気さくなメールのやり取りができてちょっと嬉しい.ちなみにCAで言った「妻が一人います」というネタに受けてくれた人.その効果かも知れない.

    夜はまたしても友人KKと,近所のスーパーの場所を教えてもらった後で,一緒に食事をする.同じボスの下で働く先輩かつ大学時代からの友人なので,お互い話しやすいし話すネタが多い.仕事の話から昔の話までいろいろと話をした.

    そうして今日もまた10時に帰り着く.月曜が休日で明日から3連休.少し気が楽だ.

  • 2004.10.7(Thu)
    緊張の3日目を終え,ややリラックスして今日を始める.お昼には前回の出張時に知り合ったアメリカ人友人Aと食事.英語でがんばって沢山しゃべる.仕事は一日事務処理に専念のつもりでコツコツ進める.夜は同じ時期に渡米してきた友人ITと,仕事でボストンに来ている友人NKと食事の約束があるので,早めに上がろうと思っていると...

    ボスが話しかけてきた.立ち話かと思いきや,なぜか,再来週にある大きなデモで何か作って見せようという話になってしまい,明日までにアイデアをもってこいという宿題を出された.え!仕事も大事だけど,生活の立ち上げも大事で,明日も来週もいろいろやりたいことがあるのに....

    気もそぞろに宿に帰り,30分だけアイデアを考えてから友人との夕食に行く.一応1つ考えて,やや安心してマレーシア料理を食べ,バーでビールを飲み,スタバでコーヒーを飲む.スタバではトイレを借りるたびに鍵を借りないといけないというシステムにちょっと驚く.友人とはものすごい勢いで日本語をしゃべり,これまでの研修中に聞いたアメリカあれこれ話(ソーシャルセキュリティ番号の話とか西海岸の様子とか)をする.

    10時頃帰りつき,シャワーを浴びながらアイデアを練る.今夜中になんとか3つくらいのアイデアを.

  • 2004.10.6(Wed)
    そんなわけで仕事らしい仕事の初日.朝8時にオフィスについていそいそと準備を始めた.至急の事務仕事を終え,さあ英語の準備だと思ったのだけれど,本質的でないところで作業に手間取ってしまい,結局あまり準備ができなかった.やや不安になりつつも,全体ミーティングへ.しかし思いに反し,ほんとにただの自己紹介の時間しか与えられず拍子抜け.本格的には来月ね,という感じになった.しかし11月にはフルスロットルなわけで,10月中に生活を軌道に乗せないといけない.

    夕方にはこちらで知り合った日本人OYと韓国人SJとでフードコートの弁当を食べながら仕事がらみのディスカッションをする.相手が同じくらいのキャリアで,かつ,お互い英語ネイティブじゃないと,気楽にスラスラといろいろなアイデアが出た.今後も定期的に集まって議論することとなる.

    なんだかんだでメールを書く仕事が多く,結局帰りは遅くなる.仕事はしてるけど生活基盤立ち上げはどうなの?と自問したい.

    さて,アメリカに来てだいたい10日たったが,手元にはあと300ドルくらいしかない.10日でだいたい150ドルくらいつかったかな.この先も1日15ドルくらい使うとすると20日で底をつく.銀行口座は開いたけれど,よくよく気がつくとATMのカードはまだもらってないし,そういや昨日の口座開設の時に暗証番号をどっかに書いたりした覚えはなくて,自分にちゃんとATMカードが送られてくるのか確信持てないし,海外送金はまだしてないし,この20日間でお金を銀行から下ろせるようになるのだろうか.ちょっぴり不安な気持ちになった.

  • 2004.10.5(Tue)
    この日は銀行口座の開設に行く.行員は暇そうな雰囲気をかもし出しながら,客を数人またせつつゆったりと仕事をする.すぐに済む用事の人のを割り込みでバンバンこなしていき,口座開設の僕はちょっと待たされる.けど意地悪とかではなく,いろいろと丁寧に仕事はしてくれる.会社提出用の書類もちょちょちょいと(僕に代わって)記入してくれた.とりあえず生活立ち上げの第一ステップを終える.

    お昼を挟んで午前も午後もPCに向かって事務仕事.やらなきゃいけないことの数も多いけど,一つ一つをこなすのに時間がかかる.仕事をした気になったようでなってないようで,自分的には不満.はやく終えたい.

    昼はオフィス近くのフードトラックへ出かけて照り焼きランチを食べる.結構美味しい.昨日のフードコートと合わせて,当面の昼はこれでいくのかな.

    夜はパン屋さんでパンを買ってホテルで食べる.ホテルの朝食がイマイチなので,1個残して明日食べよう.食べながら,鴻上さんの「ロンドン・デイズ」(ロンドンへ役者留学したときの英語奮闘日記)を少し読む.以前とはまったく違う親近感.コーカミさんもがんばってた.僕もやらんとな.あと,英語とは関係ないが,コーカミさんがポーランド人から聞いたボスニア紛争の時の惨いリンチの話にイラクとコールド・マウンテンを思い出す.

    さて,事務仕事はまだまだ終わらないのだが,明日は至急の1件だけやったら本業に取り掛かる.午後に初めての全体ミーティングがあって,きっと自己紹介するだろうから,英語も含めて準備しよう.最初が肝心だから,なんとかガツンと行きたい.どうも聞いてみると,周りの日本人は最初からエンジンをかけるでもなく,なんとなくダラダラして,そしてそのまま帰国という感じでもあるらしいので,その轍は踏まないようにしないと.明日は早く行って,英語英語だ.

    いよいよ海外旅行気分は抜けて,気持ちはだいぶsettleしてきた感じである.

  • 2004.10.4(Mon)
    ボストンでの仕事初日.昨夜はあまり疲れていなかったからか,なかなか寝付けなかった.時差ボケが全然とれてない.お腹もすき夜中2時に起きて味噌汁を作る.さあ食べようと思ったが,あれ,箸無いじゃん.フォークで代用.そして寝るも,なかなか寝られない.そしていろんなことに気がつく.このホテル,夜中もウィーンウィーンとうるさい.エアコンなのか冷蔵庫なのか.なんとか寝付いた頃朝になり,そして,となりの空き地で工事が始まる.ウィーンウィーン.なんかうるさい.明日は疲れて寝られるだろうか.あきらめて起きる.

    朝10時にオフィスに行く.Too Earlyとか言われる.そうなのか!?午前中は日本から送った荷物の物理的な整理.昼に一人でフードコートへ.向かう途中で同じ時期にボストンでポスドクを始める大学時代からの友人ITとすれ違う.Small World, isn't it? フードコードのTERIYAKI CAFEで中華風ランチを食べた.なかなか美味しい.しばらくここにしようかなと思う.

    午後はボスと話をしたり,電子的な環境のセットアップに終始.気がつけば夜の7時.まわりに人も少ない.はやくペースをつかみたいところだ.夕食は,昨日も食事に誘ってくれた友人KKが声をかけてくれた.中華街まで出向き,しゃぶしゃぶを食べる.

    ホテルに帰ると10時.なんとなく勢いで仕事関係のメールを数本書く.1時就寝.まだまだ手探り状態.けどまあ,ひとまず無事に初日を終える.

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