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というわけで，観てきました．が，この映画の肝であるVFXおよびアクションは，実はどこかで見たようなものだったりします．パクリというのではなく，オマージュっていう感じですが，マトリックス風の格闘シーンや，MI：2風のバイクシーンやE.T.風の宇宙人が登場します．

で，どこかで見た風なシーンが続くだけならば面白いわけはないのですが，この「リターナー」は面白いのです．

なぜか．それはストーリーが非常によく出来ているからです．パンフレットを読んで初めてわかるのですが，この映画の背景はかなり綿密に設計されていて，その背景の上を，非常に素直に話が転がって行きます．そこにうまく，どこかで観たシーンが重なっているのです．映画の文法に素直に沿った佳作．

ストーリーは，未来に起こる宇宙人との戦争を止めるために現代にタイムトラベルしてきた少女兵士ミリ（鈴木杏）が，闇の取引を壊す「リターナー」宮本（金城武）と共に，戦争の原因となった敵と戦うという話．けっこう複雑なのだけれども，語り口がわかりやすく，ワクワクしながら見られます．とってもお勧め．オチも好きです．

そして，面白く観られるもう一つの要因が役者陣．特にヒールの岸谷五郎が秀逸です．絵に描いたような悪役を，けれんなく演じています．かなりいいです．

主役の金城君は，台詞回しがイマイチですが，アクションはいい感じです．一方のヒロイン鈴木杏は台詞回し○．英語の台詞もあるのですが，ネイティブのMさん曰く，かなり上手とのこと．

とうわけで，山崎監督要注目．次回も期待です．