 いよいよMATRIXの年がやってきた．その先陣を切って，MATRIXの世界を土台としたオムニバスアニメANIMATRIXが，ＤＶＤで世界同時発売．1999年のMATRIXと2003年のMATRIX
RELOADEDを結ぶ作品群である．
全9話のうちの7話を日本人が監督している．そのうちの2人，前田真宏監督と森本晃司監督へのインタビュー記事＠朝日新聞が面白く，ANIMATRIX購入を決めた．以下，その感想． 1. FINAL FLIGHT OF THE OSIRIS
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| 2 & 3. THE SECOND RENAISSANCE
MATRIXの世界へと至った歴史を述べる作品．その歴史は，朝日の記事中で前田監督が言うように，まんま『アシモフか鉄腕アトムかって感じ』で，手塚先生の偉大さを思い知る．これこそは今後のMATRIX観賞に影響を与える情報を含んでいて，今後は単純にエージェント達が悪でNEO達が善とは，思えなくなる． |
| 4. KID'S STORY
現実世界へと脱出する道筋を語る，NEOの時とは別の，アナザーストーリー．絵はフランスマンガのよう．4話目にしていよいよMATRIXオリジナリティが増してきた．一部 open your eyes を連想させる． |
| 5. PROGRAM
現実世界の二人の男女が訓練する，日本の戦国時代風の仮想空間が舞台．野原での騎馬戦をしたかと思えば，城の瓦屋根上での決闘へと瞬時に変わるなど，MATRIX特有の空間変化が目玉か．話的には，ちょっぴりひねったありそうな話． |
| 6. WORLD RECORD
現実世界の存在は選ばれし人間のみ気づくことができる，というのがMATRIXルールらしいのだが，これはその「気づく」以外の方法で，現実世界の存在を知った男の話．この作品が表現するスピード感が面白かった． |
| 7. BEYOND
朝日の記事中で森本監督が述べるように，『バグ（プログラムの欠陥）が表れている屋敷で女の子が不思議な現象に出あうが、エージェントが知らぬ間に処理したって話』．本編とは異なるMATRIX世界の切り取り方が面白い． |
| 8. A DETECTIVE STORY
TRINITY探しをエージェントに依頼された一人の探偵の話．TRINITYへと至りつつも，という展開で，9話中で一番話は好み．探偵物の長編になりうる． |
| 9. MATRICULATED
仮想世界を使って，ロボット側を人間側が逆洗脳するという話．ちょっと気持ちわるめのトランス映像っぽい感じ．悲哀なラストが○． |
| 全体的に評すると，話はどれもシンプルで短い．けど安易でない．日本人の肌には合うと思う．絵はバラエティに富んでいて，好き嫌いはありうるうが飽きなくていいかも．MATRIX観賞に影響を与える重要情報は少ないが，MATRIX観を広げるのは間違いないだろう． |