パンフレットに「必ず観る前に読んでください」というタイトルで，三谷幸喜が文章を寄せているのだが，まずこれが非常に面白い．前作の登場人物が再登場することに喜び，今回新たに登場したニューキャラクターの良さについて触れ，声優やCGについての裏話を披露する．さすが三谷さん．非常に面白いです．

今回はANDYの持ち物おもちゃだけでなく，おもちゃ屋に陳列しているバービー人形やバズの宿敵ザーグ，そしてウッディがかつてテレビ番組で共演したカウガールのジェシーや馬のブルズアイなど，数多くの新しい個性的なおもちゃが次々登場するので，最初から最後までワクワク感が一杯．もちろん，ウッディを始めとして前作にも登場したバズやばね犬スリンキーらもちゃんと特徴を活かした活躍をしてくれるので，満足感も十二分．

ストーリーの方も非常に良く出来ている．仲間の救出，善と悪の戦い，出会いと別れ，自分にとっての幸せ，冒険を通じての成長，はらはらドキドキの脱出劇など，これまで映画やアニメで描かれてきたドラマがテンポ良く進んでいく．また，全編に渡って細かくいろんな映画をパロディにしていくのだが，本来僕らがやっていた「おもちゃを使って物語をなぞる」という遊びを自律的におもちゃたちが演じていくのが非常に面白く，単なるパロディ以上のリアリティが感じられたように思う．RPG（ロール・プレイング・ゲーム）の持つ魅力に似ているかもしれない．個人的には，バズとザーグの間で演じられた，ある映画のなぞったドラマがお気に入りである．

質の高いCGも感動ものであった．ピカピカの床におもちゃたちがちゃんと映りこんでいるシーンは「うぉぉ」とうなってしまった．

バグズ・ライフにもあった（全編CG映画には本来ありえない）NGシーンは，今回もエンドロール中で披露される．僕的にはあんまり面白くないNGもあったのだが，英語がわかると爆笑モノのようだ．